私は、心配されることが少し苦手です。
そう気づいたのは、ある同窓会がきっかけでした。
数十年ぶりに会った先生との会話の中で、私がシングルマザーであることをさらっと話しました。
そのとき私は、困っている話をしたわけではありません。
今の生活が満たされていることや、仕事をしながら子どもと楽しく暮らしていること。
そんな話をしていたつもりでした。
でも先生は、私のことをとても心配してくれました。
その日から、
「仕事は大丈夫?」
「困っていることはない?」
「何かあったら相談に乗るよ」
と、個別に連絡をいただくようになりました。
もちろん、ありがたいことです。
私のことを気にかけてくれているからこその言葉だということも、よくわかっていました。
それなのに私は、なぜか少し苦しくなってしまったのです。
心配されているのに、なぜモヤモヤするんだろう
最初は、そんなふうに感じる自分に罪悪感がありました。
せっかく心配してくれているのに。
親切にしてもらっているのに。
どうして素直に「ありがとうございます」と受け取れないんだろう。
でも、少し時間を置いて考えてみて、気づいたことがありました。
私は「心配されること」そのものが嫌だったのではなく、
「あなたは大丈夫?」という目で見られることが、少し苦しかったのだと思います。
私は、自分で考えて離婚を選びました。
もちろん大変なこともあります。
迷うことも、不安になることもあります。
それでも、自分なりに考えながら仕事をして、子どもを育てて、毎日を暮らしています。
だから必要以上に心配されると、
「今の私って、そんなに大変そうに見えるのかな」
「私の選んだ人生は、心配されるようなものなのかな」
と、自分の今を否定されたような気持ちになってしまったのかもしれません。
心配されるより、信じてもらえる方が頑張れる
改めて周りを見てみると、家族や友人、同僚から「心配だ」と言われることは、ほとんどありませんでした。
もちろん、内心では心配してくれていることもあると思います。
それでも、
「頑張ってるね」
「楽しそうだね」
「あなたなら大丈夫でしょ」
そんなふうに接してくれます。
私は、その距離感にずいぶん助けられてきたのだと思います。
心配をされるより、信じてもらえる方が、私は頑張れる。
「何かあったら助けるよ。でも、あなたならきっと大丈夫。」
そんなふうに思ってもらえることが、私にとっては大きな応援なのだと気づきました。
善意だからこそ、自分の気持ちも大切にする
とはいえ、心配してくれる人に悪意があるわけではありません。
むしろ逆で、優しさから声をかけてくれていることがほとんどです。
だから私は、
「心配してくれている気持ちは、ありがたく受け取る」
ことにしています。
その一方で、そのやり取りが自分にとって苦しくなるのであれば、少し距離をとってもいい。
話したくないことは、無理に話さない。
必要以上に説明しない。
相手の善意を否定しなくても、自分の心を守ることはできます。
人間関係は、近ければ近いほどいいわけではありません。
自分が心地よくいられる距離を選ぶことも、大人になってから必要になったことの一つです。
「心配すること」だけが、応援ではない
この出来事があってから、私は「人を応援するって何だろう」と考えるようになりました。
誰かが離婚しようとしているとき。
仕事を辞めようとしているとき。
転職や移住など、大きな決断をしようとしているとき。
大切な人であればあるほど、
「本当に大丈夫?」
「やめた方がいいんじゃない?」
と言いたくなることがあります。
もちろん、それも相手を大切に思っているからこその言葉です。
でも、その人はその人なりに悩んで、考えているのかもしれません。
だから、すぐに答えを出してあげようとするのではなく、
「あなたはどうしたい?」
と聞いてみる。
そして、その人が自分で考えて選んだことを信じる。
そんな応援の仕方もあるのだと思います。
自分の人生を選ぶ力を、信じたい
これは、キャリアコンサルタントとして人のお話を聴くときにも、私が大切にしたいことです。
仕事や人生に迷っているとき、誰かに「こうした方がいい」と答えを決めてもらいたくなることがあります。
でも、本当の答えは、その人の中にしかありません。
何を大切にしたいのか。
どんな暮らしをしたいのか。
これからどう生きていきたいのか。
話しながら一つずつ整理していくことで、自分なりの答えが少しずつ見えてくることがあります。
私自身も、離婚や転職など人生の分かれ道で、何度も迷ってきました。
だからこそ、
人には、自分の人生を自分で選んでいく力がある。
私はそう信じたいと思っています。
心配することだけが、応援ではありません。
手を差し伸べられる距離にいながら、その人の力を信じて見守る。
私も、そんな応援ができる人でありたいと思います。

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