離婚後、私は自分が家計の大黒柱になりました。
毎月給与が振り込まれても、なかなか安心できませんでした。
収入が極端に少なかったわけではありません。それでも、「これからは私一人で、娘の生活と将来を支えなければ」と考えると、いくらあっても足りないように感じました。
特に不安だったのが、子どもの教育費です。
もし娘が将来、
「私立の学校へ行きたい」
「こんなことを学びたい」
「この仕事に就きたい」
と言ったとき、希望をかなえてあげられなかったらどうしよう。
お金を理由に、娘の選択肢を狭めてしまうのではないか。
そんなことばかり考えていました。
子どもの希望をかなえられない私は、ダメな母?
当時の私は、
「子どもの希望は、親がすべてかなえてあげるもの」
だと思っていました。
進みたい学校があれば、その学費を用意する。
やりたいことがあれば、必要なお金を出す。
それができる母親が、立派な母親なのだと。
結婚していた頃の生活水準や、両親がそろって働いている家庭を無意識に基準にしていたのだと思います。
でも、離婚後は一馬力です。
収入をすぐに大きく増やせるわけでもありません。
考えれば考えるほど、
「私一人の収入では、娘の希望を全部かなえてあげられないかもしれない」
「それでは母親として不十分なのではないか」
という不安が大きくなっていきました。
まだ娘が小さく、どんな進路を選ぶかもわからないのに、ずっと先の教育費を想像しては、一人で焦っていました。
誰かに話して、初めて気づいたこと
そんな頃、シングルマザーを支援している方に、オンラインで相談する機会がありました。
私は、その方に教育費への不安を話しました。
子どもが私立へ行きたいと言ったとき、行かせてあげられないかもしれないこと。
やりたいことを、お金のために諦めさせてしまうかもしれないこと。
一人の収入で、どこまで用意できるのかわからないこと。
すると、その方は、
「一人で、すべてを用意しようとしなくてもいいんですよ」
と話してくれました。
もし子どもにやりたいことが見つかったら、その夢へ近づくために、どんな道があるかを一緒に探せばよい。
希望している学校の学費が難しければ、同じことを学べる別の学校や方法がないか調べる。
利用できる制度や奨学金がないか確認する。
今すぐできる準備があるなら、少しずつ始める。
「この道しかない」と決めるのではなく、子どもと一緒に、現実的に選べる道を探していけばよいのだと教えてくれました。
私には、それまでなかった考え方でした。
全部用意することだけが、応援ではない
私は、親が十分なお金を用意しなければ、子どもの夢を応援したことにならないと思っていました。
でも、応援の仕方は、お金を出すことだけではありません。
子どもの話を聞くこと。
一緒に情報を集めること。
いくつかの選択肢を見つけること。
うまくいかなかったとき、別の道を一緒に考えること。
親が一人で答えを用意するのではなく、子ども自身が納得できる道を選べるように支えることも、応援なのだと思います。
もちろん、子どもに家計の責任を負わせたいわけではありません。
「お金がないから無理」と不安をそのまま渡すのではなく、子どもの年齢に合わせて話しながら、できる方法を一緒に探す。
それなら、私にもできるかもしれないと思いました。
一人でできることには、限界がある
相談した方から、
「一人でできることには限界があります。できる範囲でやればいいんです」
と言ってもらったことで、少し肩の力が抜けました。
離婚後の私は、母親としても、大黒柱としても、一人で完璧にやらなければと思っていました。
生活費を稼ぐ。
教育費を用意する。
家事も育児もする。
娘の希望も全部かなえる。
でも、一人ですべてを完璧にするのは難しい。
できないことがあるのは、努力が足りないからではありません。
一人で担っているものが、それだけ多いからです。
そう気づいたとき、少しだけ自分を責める気持ちが和らぎました。
不安は、なくすのではなく整理していく
誰かに話を聞いてもらったからといって、教育費への不安がすべて消えたわけではありません。
今でも、娘の将来を考えると不安になることはあります。
それでも、漠然と、
「お金が足りないかもしれない」
と考え続けるのではなく、
- いつ頃、どのようなお金が必要になりそうか
- 今から準備できることは何か
- 利用できる制度や選択肢はないか
- 私は娘に、どんな経験をしてほしいのか
を一つずつ考えられるようになりました。
不安をゼロにすることは難しくても、不安の中身を整理することはできます。
私は家計簿やライフプラン表を作り、教育費や旅行費など、将来必要になりそうなお金を数字にして考えるようになりました。
数字を見るのは少し怖いですが、見えないまま想像を膨らませるより、今できることがわかります。
よりみちワーク|教育費の不安を書き出してみる
子どもの教育費が不安になったら、頭の中だけで考えず、次のことを書き出してみてください。
- 何が起きることを一番心配している?
- 「親ならここまで用意すべき」と思っていることは?
- 今からできる小さな準備はある?
- お金を用意する以外に、できる応援はある?
- 一人で抱えず、相談できる相手や場所はある?
まだ起きていない未来を、今すぐすべて決める必要はありません。
まずは、自分が何を怖いと感じているのかを知る。
それだけでも、漠然とした不安と少し距離を取れることがあります。
それでも、収入を増やしたい気持ちはある
「全部をかなえられなくても、ダメな母親ではない」
そう思えるようになった今も、収入を増やしたい気持ちはあります。
娘の選択肢を少しでも増やしたい。
一緒に旅行をしたい。
自分自身も、やりたいことを諦めたくない。
だから私は、今の仕事を続けながら、これからの働き方や、会社以外の収入について考えています。
ただ、不安に追われて無理をするのではなく、自分と娘が大切にしたい暮らしを考えながら、一歩ずつ進みたいと思っています。
全部を一人で用意できる母親には、なれないかもしれません。
でも、娘が何かをやりたいと思ったとき、一緒に話を聞き、調べ、選べる道を探す母親にはなれます。
それも、子どもの未来を応援する一つの形なのだと思います。
仕事や収入への不安が、これからの働き方の迷いにつながることもあります。


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